- HOME
- スポーツ整形
ねんざ
軽度
原因
- 高いヒールを履いていてひねってしまった
- 山登りで石に足をとられた
- 階段を踏み外した
症状
- 腫れがほとんどない
- 押すと鈍痛がする
- 靭帯が一時的に伸びている状態
- 少し休めば歩けるようになる
対応
急に体重をかけたり、正座をしたりして靭帯を伸ばすと悪化する可能性もあるので、安静にして、患部を冷やしましょう。
中度
原因
- ジャンプの着地失敗
- 急激に止まる動作のあるスポーツ(サッカー、テニス、バスケなど)
症状
- 患部が腫れている
- 痛みが伴う
- 内出血がある
- 靭帯の一部が切れている状態
- 体重をかけて歩けない
対応
すぐに応急処置が必要になります。痛みが続くまま放置しておくと、重症化します。
- 氷に入れた袋をタオルなどにくるみ、冷やしましょう。
- くじいた方向とは逆に曲げ、包帯で固定しましょう。
- 患部に血液が集中しないように高い位置にあげましょう。
- 患部をもんだり動かしたりせず、安静にしましょう。
重度
原因
- 通常では起こりえない負荷がかかった場合に多い
- スポーツなどで、足を踏まれて強制的にひねられた
- ボールや、相手選手の足を踏んで捻った
症状
- すぐ患部が腫れ始める
- 腫れている部分に熱を持っている
- 内出血がある
- 痛くて足をつくことができない
対応
靭帯が分裂したことによって強い痛みを伴います。痛みが引かない場合は、骨折や脱臼の可能性があるので、応急処置後、病院に行きレントゲンを撮りましょう。
ねんざの注意点
応急処置には、湿布ではなく氷で冷やす
湿布には冷やす作用はほとんどありません。ダメージをうけた組織から血液が流れ出ないようにするためには、毛細血管を氷で冷やし、キュッと流れ出る血管を収縮させるのです。
ねんざ直後は、入浴を避ける
温めるとズキズキ痛むのは急性期とよばれ、この時期に温めるのは禁物です。痛みがぶり返したり、腫れが悪化したりします。
「グギッ」と音がした場合は注意が必要
「切れた音がした」などという人を耳にしますが、そのような音がした場合、靭帯の断裂が起きていることが多いです。他にも骨折が疑われるのですぐに受診しましょう。
骨折
原因
骨折の主な原因は、①外傷②過度な運動③病気です。
①外傷
骨折のほとんどは外傷です。転倒や、転落、交通事故などによって引き起こされます。交通事故や、高いところからの転倒は複数の骨折が起こったり、他の臓器も損傷することもあります。
②過度な運動
特定の骨の部位に小さな負担が蓄積することで骨折が起こることがあります。これを疲労骨折といいます。もちろん、スポーツ中にぶつかったりして外傷による骨折もありますが、練習を積み重ねてきたことによって生じる骨折もあるのです。
例えば、サッカーやバスケットでは、足の甲の骨によく疲労骨折が見られます。また、マラソンなどはすねの骨、野球では肘などです。
③病気
病気によって骨がもろくなり、骨折を引き起こします。
例えば、がん、骨粗しょう症、骨膜炎などです。
野球による骨折
野球で多い骨折は、「肘頭疲労骨折」です。ボールを投げる際、肘の関節に負担がかかるため生じます。
サッカーによる骨折
サッカーはすねや足など、下肢に多く見られますが、特に第5中足骨の疲労骨折が多いです。第5中足骨とは、足の小指側にある骨で、方向転換のため止まったり、直ぐに走り出す瞬発力が必要になるスポーツによく見られます。
バスケットボール・バレーボール
ジャンプを多く繰り返すスポーツである、バスケットボールやバレーボールは、「跳躍型疲労骨折」がよく見られます。脛骨(けいこつ)と呼ばれる、ひざから下足首まである大きい骨で、すねの部分は「弁慶の泣き所」と呼ばれている部分です。ジャンプを繰り返し行うことによって、脛骨の前面が上下に引っ張られ、疲労骨折を引き起こします。
陸上競技
マラソンなどの走る競技では、脛骨や中足骨の疲労骨折が多いです。すねの部分、足の甲です。ジャンプなどの運動を行う競技は、バスケットボールや、バレーボールなどと同じく、すねの骨折が多く見られます。
野球肘
野球をしている、特に小学生や中学生に多く見られます。肘や肩が痛くなり、悪化すると、日常生活にも影響を及ぼします。早期の段階で治療をすることが大切です。「痛みが強くなかったら、そのままにしていた」「ほぐしたら痛くなくなったので、病院などにはいかなかった」など原因を放置するのはやめましょう。
腰椎分離症
腰椎分離症は、高齢者に多い腰痛ですが、成長期のスポーツ選手にもみられる腰痛です。
- 運動をしていたら急に腰が痛くなった
- 普段は何ともないが、運動時に腰が痛む
- 背中をそらしたり、前かがみになると痛む
こういった症状があれば、腰椎分離症の疑いがあります。
腰椎分離症は、腰の骨、特に下部によく生じます。過度な運動によって、腰椎がひび割れ分離します。レントゲンや、CT、MRIなどを見てコルセットによる固定療法を行います。早期に発見をすると、改善が早いので、できるだけ早く受診しましょう。
靭帯損傷
靭帯とは骨と骨とをつなぎ、離れないようにしているすじ状の組織です。スポーツでは、膝前十字靭帯の損傷が多いです。スキー、バスケットボール、サッカーバレーボールなどで、ジャンプの着地をする際に、膝の靭帯損傷が生じやすいです。足のつま先の方向と、膝の向いている方向が内側に入り、異なると損傷しやすいです。
半月板損傷
半月板とはアルファベットのCに似た形をしている膝の関節軟骨の板で内側外側にある三日月のような形で、クッションのような役割で膝を安定させるという役目もしています。これが損傷することを半月板損傷と言います。膝を曲げたり、伸ばしたりする屈伸運動をすると引っ掛かりや痛みをかんじます。悪化してしまうと、膝に血や水がたまってしまったり、膝が急に動かなくなったりして歩けないくらいの激痛になります。
原因
スポーツなどの怪我、年を取ると傷つきやすくなっていて外力が加わって損傷したりします。
- スポーツが原因:バスケットボール、バレーボール、体操、サッカー、テニス、野球、スキーなど体重がかかった状況でひねる、ぶつかる、衝撃によって損傷します。特に接触プレーのあるスポーツは注意が必要です。
例)バスケットボールのシュート後の着地、サッカーで走りながら急激に方向転換、ラグビーで横から膝にタックルされた - 加齢によるもの:40歳から50代ではちょっとした外力が加わっただけでも、損傷が起こりやすく加齢に伴い半月は変性して行きます。
リハビリテーションや抗炎症薬の処方など保存的治療で症状が改善する場合がありますが、改善しない場合には手術を行います。
手術法には切除術(損傷した部分を切り取る)と縫合術(損傷した部分を縫い合わせる)の2種類があり、通常は関節鏡を使った鏡視下手術を行います。
治療
サポーター装具やテーピングなどの補助補強・痛み軽減でのリハビリテーション・膝にたまった水、血を抜いてもらう・消炎作用があるステロイド剤の注入・低周波や干渉波による電気刺激・膝が伸ばせないなど重傷の場合は、破損した半月板を縫い合せ、または切除する手術・予防としては、足だけでなく腹筋や背筋、体幹(体の中心部)のインナーマッスルを強化したりする。